見せている自分と、本当の自分との間にズレがあると……

「これから事件など問題を起こす人の中で、
え？　あの人が？　とビックリするようなケースも出てくるよ」

恒美(ひさみ)さんが思いついたようにこんな話をしてくれたのは、なんでもない雑談をしていた時でした。
恒美さんといると、本当に他愛のないおしゃべりをしている最中に、思いがけないような面白い話やびっくりする話、深く感動する話が急に始まりますから油断できません　笑

「ビックリするようなケースって、どういうこと？　」
私は興味深々で身を乗り出して質問します。

「それはね、いつも学校でいい点を取ってきた人たちや、物質的に成功している人、皆が羨むような恵まれた人でも問題を起こすことがありうるようになってくる、ということなの」

へぇ～……なんでだろう。
特に成功者でもない凡人には、なんでそんな事になるのか、想像もできません。

「今までの時代は地球を取り巻く周波数が、自我の意識のマテリアルマインドのエネルギー循環と、とても相性が合ったの。
今の物質的な成功者やエリートの人たちは、その今までの地球を取り巻くエネルギーとものすごく良く循環できていたっていう人が多いと思う。

いつの時代も、その時代に地球を取り巻くエネルギーとよく循環できる人が波に乗って生きていける傾向があって、相性が合う人は人生がとんとん拍子に進むように感じるの。

だけどこういう物質的な成功者やエリートの人は、『世間からこう思われているだろう自分』を自分と思っている人も多いのね。
その思い込んでいる自分が、本質の自分とかけ離れているほど、これから問題や事件を起こすようになってしまう」

なんと、そんなことってあるんですね。
見せている自分と本当の自分に、多少のズレくらいならある人も多いような気もしますが、
それがかけ離れているほど問題や事件を起こすって……恒美さん、どういうこと？

「本当の自分は感覚の中にあるの。
一方で思い込んでいる自分は、外側の姿、形、環境、学歴や地位など、世の中に賞賛され受け入れられるであろう望ましい自分。

問題を起こす人は、感覚の中にある本当の自分を認めないようにして、
自分が決めた外側の良い形ばかりを追求するの。
これがずっと続くように、永遠にあってほしいと。

このエネルギー状態はとてもバランスが悪く、偏ったものなっている。
事件を起こすような人をエネルギーで見ると、
例外なくエネルギーのバランスが極端に崩れているの」

そうか、恒美さんがいつも、何事もバランスだと言っているものね。
それでバランスが崩れていると、どんな意識や行動に繋がるの？

「こういう人は、本質の自分と繋がることを何がなんでも避けるの。
そして本当の自分を見ないためにはなんでもしちゃうの」

え？
なんでもしてまで、本質の自分を見ないって？
そんなことしたら、どんどん苦しくなってこない？

私は過去に色々な仕事を経験してきましたが、
どの仕事もある程度うまく回るまでできたとしても、何かが違うような違和感が拭えませんでした。

その違和感の正体がなんであるかわからないまま、それを解消したくて彷徨った期間の長かったこと………

今思うと、あの時期、私は自分の本質で生きれる何かを探し求めていたのです。
その時のモヤモヤ、言葉にできない苦しさを思うと、自分の本質を見ないように突き進むのは、どうしても苦しみの道に思えるのです。

恒美さん、その状態って、本人はやっぱり苦しいよね？

「そうだね、いつも焦燥感を感じているし、周りの人にも自分にもイライラしてくる。
苦しくなってくるよね。

ほとんどの人は、自分の本質とどこかで繋がっているから、
両親からの育てられ方に違和感を感じたり、自分はこう生きたいという思いを持ったりして、自分と繋がる時を持つの。
そして葛藤して悩んで、本当の自分にたどり着くという自然な流れがある。

けれど問題を起こすような人は、本質の自分と繋がる部分が全部外に行っちゃっている。
本人自身も、自分の本質じゃない自分を本質だと思っちゃってて、この自然な流れを拒否するの。

本質を知るきっかけもたくさん起こっているはずなんだけど、
こういう人は意識の矢印を内側に向けることに慣れていないか分からないかのどちらかで、
本当の自分を見ないことに意識が集中してしまう。自分が決めた外側の望ましい自分ばかり追求するの。

その結果、
とりあえず次の目標を作って突き進むとか、
とりあえず仕事しようとか、
とりあえず友達と約束しようとか、
なんだったらとりあえず悩みまくろうとか。
なんでも良いの。
本当の自分と向き合わないためには、なんでもするの」

うわぁ～……話を聞いているだけで、
こちらまで息苦しく落ち着かなくなってきそう……

恒美さんは続けます。
「でもね、今はもう新しいエネルギーが本質で生きることを促してきているから、
どんなに抵抗しても、本質がどんどん突かれて広がってきちゃうの。

それがどんどん進んでいったときに、
世の中に見せている自分と本質の自分が、ある程度以上かけ離れてしまった人のエネルギー状態は急速にバランスが悪くなってしまう。

そうすると例えば、自分の近くにいる人や目にする人に対してイライラしてしょうがなくなってくる。こうなって来ると、もう苦しいというより怒りになっちゃう。

新しいエネルギーに抵抗せずに自分の本質に繋がっていく人はドンドン緩くなるから、
そういう人たちに批判的になり、許せなくなる気持ちが増幅して怒ったりもする。

そして最終的に、
爆発する以外無くなってしまうの。

この時、問題や事件を起こした人が良い印象の人だとすると、皆んなビックリするよね。
でもエネルギーで視ると、なるほどね、なの」

なんと……
ちょっと言葉になりません。
今までは、自分を多少押し殺しても、社会とか世の中に良い自分を見せていくことが生きていくために必要なことのように考えられていたように思います。
地球を取り巻く周波数が、自我の意識のマテリアルマインドのエネルギー循環ととても相性が合っていたから、外側で見せている自分を維持し続けることもできたのかもしれません。

でも、この新しいエネルギーの時代では自分の本質で生きていくことを促されるので、
それをし続けるとバランスが悪くなり、
出来なくなってくるのですね……

恒美さん、バランスが悪くなると、どんな風になっていくの？

「本質からかけ離れてバランスが悪くなると、
どんなに教養とかマナーとかを身に付けていたり社会的地位を持っていたとしても、
なにか世の中から受け入れられなくなってきたり、自分の中で満たされた気持ちが消えてしまったりする。
つまり、世間にも自分の心にも、通用しなくなってくるの」

うーん、それは辛い……コメントが出てきません。もはや取り繕うのは無理、ってことですね。
そして続けて恒美さんが言ったこの言葉には、もう納得しかありませんでした。

「『本質を見ろと促してくるエネルギー』
VS『本質を見ないようにする人間』
この勝負に人間が勝てっこないよね。
だって『宇宙』対『自分』だよ？
そんなの勝てるわけがない」

ああ……本当に、おっしゃる通りです………

「自我の意識のマテリアルマインドは、延々と自分の本質を直視しないですむ理由を作る。
なんで直視しないかというと、本当のありのままの自分には価値がない、と思い込んでいるから。ほとんど例外なくそうなの。

本当の自分が空っぽだから、お金とか肩書きとか地位とかライセンスとか、補強する外側のものを集めたりして忙しくする。そして空っぽだという恐れを感じないようにしているの。

この連鎖から離れるように促してくるのが、新しいエネルギーなの。
この時、ただ自分は空っぽだと思っていたんだ、って気づけばいいんだよ。

本当はね、何にもできなくても何にも怖くないの。ポジティブでもネガティブでも、空っぽじゃなくて私たちは満ちているの。
ここを1番求めているのに、1番の恐れにしちゃってる。

でももう宇宙に勝てっこないんだから、本当の自分を見る、って決めちゃってほしい。
苦しい時は、『自分の本質で価値がないって決めちゃってるところはどこだろう』
と自分に問いかけるといいよ」

教えてくれたあと、最後に恒美さんはこんな話をしてくれました。

「真にスピリチュアルな人ほど、むしろ判断や解釈から離れた視点で、現実や自分をただ見ている。

今の自分を幸せにしていない行動や考え方ってなんだろう、って考えて、外側ではなくて、自分の内側の世界にスポットライトを当てて見る方が、自分と人生に誠実に向き合っているよね。

そしたらね、新しいエネルギーは、ドンドン広がる領域に連れて行ってくれるんだよ」

そうか、そうだよね。
せっかく産まれてきて与えられたこの人生を、
自分に価値がないと決めちゃって外側を追いかけ、『良いと思い込んだ自分ではない何か』を自分に強要して生きるより、
そうやって自分の内側と向き合って、本質に戻って自分らしく生きる方がいいよね。

その上、そうすると新しい今まで見たことのない広がる領域に行けるなんて、ワクワクするね、恒美さん。

今回のこの話を聞いて私は、
私たちが本当に時代の変わり目に立ち会っているんだなって事を、つくづくと感じました。

読んでくださった皆さんは、どう感じましたか？