悲しみを感じ切る。意識の転換を感じながら過ごした一人の時間 〜 ひさみ ストーリー ⑪

ひさみストーリー

<37歳>夫の旅立ち

夫は、37歳でこの世から旅立っていきました。

夫が旅立った後、私は本当に大切なことを知ってしまった感覚に包まれました。

それ」は、夫の闘病生活と死をとおして、私に与えられた大きなギフトのようにも感じられました。

それ」を知ってしまった私は、このマテリアルな現実世界に属しながらも、まるで別の世界に生きているように感じます。

起きている出来事に一喜一憂する世界ではなく、起きている出来事の裏の世界の視点が優位になる、とでも言うのでしょうか。

裏の世界には、いつも大きな愛の流れがあり、今の意識がその中に溶け込んで一緒に流れ変化していくような世界です。愛の質の中で、断片的だった出来事の数々が全体的に繋がっていく世界。シンプルで壮大。(あーやはり、言葉を当てはめようとすると抽象的になってしまいます。)

でも実際、現実世界で活発に循環しているエネルギーは、マテリアルマインド(自我)の複雑な視点が優位で、、。世界を見る視点の違いや価値観が、私にとって大きなギャップとなりました。

私は、マテリアルマインド(自我)で、この死別の経験を複雑にしたくなかったので、
外の世界の接触を避け、自分だけの時間を過ごすことを選びます。

どうして極端に人と会うことを避けたのか。
それは、決して哀しみで心を閉じたのではなく、周りの人が私に抱くイメージに、自分自身を合わせたくなかったからです。

ほとんどの時間を、1人で過ごす。。

現実世界に属している私は夫を失ったばかりですから、周りはさぞかし心配だったと思います。でも私の姉や親交の深い友人達は、私が連絡をしようと思える日までそっとしておいてくれました。
その大きな愛は、元気付けようと言葉をかけられる優しさより、私の心に強く響き、生きるパワーをくれました。

一方、夫が亡くなってから、もう長いこと会っていない友人や知人からは頻繁に連絡がくるようになりました。訃報はあっという間に伝わっていく早さにも驚きましたが、
エネルギーの違いにも驚きました。もちろん全ての人ではありませんでしたが、ほとんどの人のエネルギーの質は、お悔やみの言葉とは真逆の興味本位?のようなエネルギーの質だったからです。

まだ若いのにご主人を亡くして可哀想、、
どうやって生活していくんだろう、、
子供もいて大変、、
私だったら耐えられない、、
いつから癌だったの?
どんな治療をしてきたの?

その人の中に、知りたがりのマテリアルマインドの思考の質がグルグル活発に動いているのが視えます。

でも私がその人達のマテリアルマインドに餌をあげないので、痺れを切らし、彼らの方から一方的に質問してきます。

初めはどんな症状が出たのか、どのようにして病気がわかったのか、最後は楽に逝くことができたのか、今、私はどのように過ごしているのか、、、いつでも話を聞くから(聞きたいから)!
どれほど辛く、どれほど大変だったかを自分に置き換えて感じて、自分の世界だけで共感を作り出していました。

経験が違うから視点も違うのは当たり前で、私はこの流れになると、なんだか刑事さんに尋問されてるみたいな気持ちになり、滑稽に思えてなりませんでした。

 それぞれの視点から出る優しさなのでしょうが、憐れみや同情、助けが必要な人として興味深く扱われると、違和感を感じました。

私は、自分のことを可哀想だとは思っていなかったし、
人々が共感している私のイメージに、私を当てはめたくはありませんでした。

私は私。

外からどんな印象を持たれるかは関係なく、
私は、自分の内側を見つめ、
溢れ出てくる悲しみを、自分自身で消化する必要があることを知っていました。

私のことを心配してくれている
家族や友人達からの優しさを心からありがたく感じながらも、
私は一人、ジャッチが無い空間で悲しみを純粋にただそのまま感じ切る生活を送りました。

日々の暮らしの中で、深い悲しみは、前触れなく突然襲ってきましたが、
その場で思いっきり、全力で泣き切ることができるのは1人だからこそ。
その空間に感謝しながら号泣していた記憶があります。


夫が亡くなってから、悲しみと共に生きることは、
私の一部になっていきましたが、その深い悲しみは夫への執着ではなく、
変化していくことに抗えない哀しみのような、、
全てが変わっていくことの痛みのような、、。

同じ世界で生きていた夫と私の間に
いつも循環していたエネルギーが、
途切れたことが寂しくて、、。

こんなに太いラインで日々愛を循環していたことを改めて深く実感していました。


やがて、悲しみの深さは愛の深さだと気づき、私はその愛の深さを感じながら誇りに思って泣くようになっていきました。

でてきた思いや感情を、そのまま感じ
誇りをもって泣く。それが自分のためにできる癒しでした。

この時私は、出てきた思いや感情は、そのままの性質で瞬間瞬間に感じ切ると必ず消化されていく
ということを体験しながら、エネルギーが変化していく流れを同時に視ていました。

そして、感じ切ることは、
今滞っているエネルギーに光をあてることになり、
今が癒やされていくことを理解していきます。

私達はどんなにあがいても、今にしか生きれません。

今の自分を癒すことだけが、いつの今もとても大切なことなのです。

 


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